タイ1部リーグでキャプテンとして戦うということ

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モンテネグロから当時タイ3部だったウボンUMTに移籍し、今期で4シーズン目を迎える山崎健太。加入してからチームは順調にトップリーグまで昇格し、今季はトップリーグでの2シーズン目となる。ここまで15試合を消化し17位と低迷するが、山崎はチームの柱としての活躍を見せ続けている。

ここまで苦しい戦いが続くウボンUMT

初のトップリーグでの戦いとなった2017シーズン。ウボンUMTと山崎は躍進を見せた。山崎を含む強力な外国人選手達。そしてタイ代表にも選出されたタイ人選手達。ムアントンや、ブリーラムなどの強豪クラブが相手でも互角に渡り合い、2017シーズンの台風の目となった。

しかし2018シーズンではここまで厳しい戦いが続いている。その原因として昨シーズン活躍した選手達が上位クラブへと引き抜かれたことが挙げられる。外国人選手達、そして主力だったタイ人選手達はほとんどがチームを去り、昨シーズンとはメンバーが大きく変わってしまったのだ。

契約期間が残っていた山崎はチームに残り、新しいメンバーが多いチームで中心選手として尽力してきたが、ここまで15試合を消化して17位と、厳しい戦いが続いている。

新監督と新キャプテン

ウボンUMTは成績不振から日本人の神戸氏が新監督に就任した。それと同時に山崎はキャプテンに任されるようになった。外国人助っ人として、チーム在籍最長者として、チームからは大きな信頼が寄せられている。試合を見ていてもタイ人選手とコミュニケーションをとる様子や味方選手を鼓舞する姿が印象的だ。プレーだけではなく、キャプテンとしてチームを引っ張る姿からは頼もしさを感じる。

勝負強さ

勝負強さも山崎の特徴の一つだ。ここまでウイングバックで出場を続けるが、既に今期2ゴールをマークしている。アウェイでのパタヤユナイテッド戦では右サイドウイングながら、右サイドからのクロスに走り込み、見事なヘディングゴールを叩き込んだ。チームが苦しい時にこそ強さを発揮できる強さは山崎の大きな武器と言える。

年々レベルも上がり、日本人にとって簡単ではないリーグになっているタイリーグ。2015シーズンには70人近くいた日本人選手も2018シーズンの今年は33人に減少している。トップリーグに関していえば僅か3人だ。そして外国人への要求が高まるタイリーグで、外国人としてチームに必要とされ、キャプテンを任されるということの凄さは黙っていても伝わるだろう。ウボンUMTが調子を取り戻し、1部に残留できるかどうか、それはまさに山崎に掛かっていると言えるだろう。

 

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