【スペイン現地スタッフ】2025-26シーズンの総括

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今シーズンも、長期留学・短期プログラム・キャンプと多くの選手・ご家族にご参加いただきました。現地スタッフの視点から、各プログラムを振り返ります。

長期留学

1年目の選手たち

今シーズンは1年目・2年目それぞれの選手が在籍しました。

1年目の選手にとって最初の壁となるのは、やはり語学です。自分の考えを伝えられない、仲間の意図を読み取れないという場面が序盤は多く見られました。しかしシーズンを通してスペイン語への理解が少しずつ深まるにつれ、自らボールを要求する場面が増えるなど、確かな成長を感じることができました。

現地で感じたのは、「積極的に輪の中へ飛び込めるかどうか」が1シーズンの成長量を大きく左右するということです。日本人選手の気質として、最初は様子を見てしまう傾向がありますが、そこを越えられた選手とそうでない選手では、シーズン終盤の姿に明らかな差が出ていました。

また、スペインサッカーといえば「パスサッカー」というイメージを持って来る選手が多いのですが、実際の下部リーグでは技術よりも球際の強さや戦う姿勢が求められます。そのギャップを早期に受け入れ、適応できた選手が結果的に多くの出場機会を得ていました。

2年目の選手たち

2年目の選手には、プレシーズンから「結果にこだわる1年にしよう」と伝えていました。スペインからのステップアップには数字が必要だということを、選手たち自身もよく理解しています。前線の選手については2桁ゴールを一つの目標として設定し、シーズンを戦いました。

語学面での不安はほぼなくなっており、新チームへの適応も1年目と比べて格段に早い。怪我によるスタメン落ちもありましたが、基本的には試合に絡み続けることができており、海外での競争の乗り越え方を身体で理解していると感じました。

短期プログラム

親子留学

今シーズン初めて実施した親子留学は、スタッフにとっても新鮮で学びの多いプログラムとなりました。現地のクラブチームへの参加、海外での生活体験、試合観戦など、親御さんとお子さんが一緒にスペインのサッカー文化に触れる内容です。

印象的だったのは、ある小学生のご家庭のエピソードです。指導者が変わってからドリブルを怒られるようになり、だんだんボールが来るのも嫌になってきた——そんな理由でスペイン行きを決めたとお母さんから聞きました。スペインでは、特に小さい頃は「まずサッカーを楽しむ」という考えが根底にあります。コーチが子どもを頭ごなしに怒る場面はほとんど見られません。そのお子さんも現地では本当に楽しそうにボールを追いかけており、見ていてとても嬉しかったです。

親御さんにとっても、現地の環境を実際に見ることができたのは大きな収穫だったようです。「将来子どもが海外に出るとなっても、ここなら安心して送り出せる」という声をいただきました。また、小さいうちに海外を経験することで、サッカーに対する考え方・文化・食事など、日本とは異なる価値観を親子ともに体感できるのがこのプログラムの大きな意義だと感じています。

ラージョキャンプ参加

ラージョ・バジェカーノの施設を初めて目にした選手たちは、そのスケールに驚いている様子でした。参加カテゴリーの関係でレベル差に驚く選手もいれば、「意外と戦える」と手応えを感じる選手もいるなど、反応はさまざまでした。

練習前は「メニューが理解できるか」「コミュニケーションが取れるか」と不安そうにしている選手がほとんどでしたが、現地の子どもたちが日本人選手に興味を持って積極的に話しかけてくれたこともあり、練習が始まれば自然と打ち解けていました。言葉が通じなくてもサッカーを通じて繋がれる——幼い頃にこうした異文化交流を体験できることは、選手としてだけでなく人間としての財産になると感じています。

総合型選抜対応プログラム

こちらも今シーズン初めての取り組みでした。基本的な流れは短期留学と同様ですが、ユースチームと大人のチームへの参加に加え、留学中に「日本との違い」を観察・記録し、それを大学入試の総合型選抜に活かすという構成です。

参加した選手(ソウイ選手)はサッカーのレベルも高く、参加したユースチームの監督から「来シーズンも来てほしい」と声をかけてもらう場面もありました。また、留学中に実施した本人インタビューは非常に良いコンテンツになったため、今後は短期留学の選手全員に展開していきたいと考えています。

キャンプ

今シーズンはマドリードユースカップへの参加、トレド(イジェスカス)での大会参加、練習試合、スペイン人コーチによるクリニックと、複数の形式でキャンプを実施しました。

大会参加で難しさを感じるのは、参加選手のレベルがそれぞれ異なることです。試合に勝ちたいという気持ちは全員共通ですが、チーム内にレベル差があるとネガティブな発言やフラストレーションが生まれやすくなります。この点は今後のプログラム設計において引き続き検討が必要です。

一方、スペイン人コーチによるクリニックは全員が活き活きと取り組んでおり、非常に良い雰囲気の中で練習できていました。

総括

スペインで過ごすと、サッカーがいかに文化に根付いているかを自然と感じられます。アマチュアカテゴリーの試合でもスタンドが設けられており、土日になれば地元の人々や家族・友人が集まって試合を観戦する。バルでは夜な夜なリーガやチャンピオンズリーグの中継が流れ、誰もが自分のクラブを持っている——日本ではなかなか見られない光景です。

こうした「サッカーのある日常」を肌で感じることが、プレー面の成長はもちろん、選手としてのマインドや視野を広げる上でも大きな意味を持つと考えています。来シーズンも、より多くの選手・ご家族にその体験をお届けできるよう取り組んでまいります。

🇪🇸スペイン担当(スペイン在住)
大内 隆太郎(OUCHI RYUTARO)

大学在学時にユーロプラスを通じてスペインへサッカー留学し、Vallecas CF(当時スペイン6部)などでプレー。現地での生活やプレー経験を経て、現在はスペイン担当として留学生やプロ選手のサポートや現地のエージェント業に携わる。スペイン生活が長く、現地のサッカー事情や評価ポイントにも精通しており、選手の状況や環境に合わせた細やかなサポートが強み。

 

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